有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- Cigeo(高・中レベル放射性廃棄物深地層処分場)プロジェクトの現況、2012年2月27日公開
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Cigéo(地層処分場)プロジェクト
Cigéoはフランスの高・中レベル放射性廃棄物の処分を目的に設計されている。その仕様は議会で表明された2つの必須要件を基本としている。すなわち、
·    将来の世代に対する負担を制限するため、処分場閉鎖後は人的介入を必要としない安全性
·    少なくとも100年の可逆的な運用;つまり、将来世代が施設のその後を決定できる、さもなければ処分パッケージを回収できること。
Cigéoが許可されると、運用開始は2025年に予定されている。廃棄物パッケージは処分場に輸送され、検査を受けてから約500 mの深さまで搬送される。Cigéoは、その設置から解体に至るまでの間、現在の原子力発電所から発生する高・中レベル放射性廃棄物全体を処分するように設計されている。
Cigéoが受け入れる廃棄物
Cigéoが受け入れる廃棄物は、量的には、フランスの放射性廃棄物の4%未満に過ぎないが、放射線量から見れば、これら廃棄物の99%強を占めている。廃棄物の大部分が原子力発電産業に由来する。
高レベル放射性廃棄物は、その大部分が、原子力発電所の使用済み核燃料のリサイクルで生成される。廃棄物はガラス固化体に姿を変えてステンレス鋼製のパッケージに充填される。長寿命中レベル放射性廃棄物は燃料を取り囲む金属構造体(ハルとエンドピース)又は原子力施設の運転に伴う残留物(汚泥等)から発生する。これらの廃棄物は金属製又はコンクリート製のパッケージに充填される。
目下、高レベル放射性廃棄物の約30%並びに長寿命中レベル放射性廃棄物の約60%が既に発生している。これらの廃棄物は、Cigéoが開設されるまでの間、その発生地のサイト(ラ・アーグ、マルクール、等々)で貯蔵されている。
地層処分の原理
放射性廃棄物は時間と共にその放射能を低減する。従って、処分は放射性廃棄物の特異性を考慮し、十分長期間に亘りこれらを隔離することで成り立つ。こうして、極めて長い期間を経て人と接触することで再発見されたとしても、極低レベルの放射能で、健康や環境へのリスクがない。
Cigéoが扱う廃棄物は極めて長寿命である。従って、閉じ込めは数10万年の間確保できなければならない。人工の構築物が劣化しても、処分場に選定された粘土層がこの閉じ込め機能を確保することになる。粘土層は地下おそよ500 mに位置し、層厚は140 m以上である。
Cigéoプロジェクトの35年間
·    1991年:地層処分の研究調査を使命とするANDRAの設立
·    1999年:ムーズ県とオート・マルヌ県との境界、パリ盆地の粘土層に地下実験施設の設置許可が交付される
·    2005年:ANDRAが政府に提出した報告書の中で地層処分の実現可能性を示す
·    2005/2006年:放射性廃棄物の管理政策に関する公開討論
·    2006年:高・中レベル放射性廃棄物の長期管理のための地層処分を選定する法律第2006-739号の採択
·    2010年:協議を経てCigéo地下施設受入れのためANDRAが提案した30 km2の立地区域(詳細調査区域、ZIRA)を政府が認定する
·    2011年:地下実験室の操業許可を2030年まで延長
·    2012年:プロジェクトの基本設計段階を迎える
·    2013年:プロジェクトに関する公開討論
·    2015年:処分場の正式な設置許可申請
·    2016年:可逆性条件に関する法案の採決
·    2017年:開示手続、処分場の設置許可命令、建設工事開始
·    2025年:第1工区の操業開始
20年に及ぶ調査と研究
ANDRAは白紙からスタートし、20年で、粘土層における放射性廃棄物の管理や処分に関する唯一無二の科学的ノウハウを開発した。手にすべき知見の範囲を確定した後、ANDRAは、1994年からフランス国内の地質調査に着手した。ムーズ県及びオート・マルヌ県の立候補を受け、1999年、政府はANDRAにムーズ県とオート・マルヌ県にまたがるサイトの粘土層現調査を目的とする地下研究所の建設を許可した。
ANDRAは、2005年、15年に及ぶ研究と調査に基づき、科学技術資料「Dossier 2005 Argile」を政府に提出した。この資料で、ADNRAは、調査した粘土層での地層処分の実現可能性を明らかにし、長期的な安全性の保証を提供している
4年の追加調査を経た2009年、ANDRAは、処分場の設計、操業時及び閉鎖後の安全性について採用された主要オプションを示す書類一式を評価機関に提出した。更に、これらを補足するため、廃棄物の中間貯蔵についてANDRAが調整した調査と研究を紹介し、30 km2に及ぶ地下施設の立地場所を確定した。この立地場所については、地元関係者との重要な協議手続きを完了した後、政府から認定を受けている。
 
 
 
 
 
 
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