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Contrôle190号:放射性廃棄物:前進と今後の展望
 
パリ発、2011年2月10日
公開刊行物
 
190論説
20057月のContrôle165号はフランスの放射性廃棄物の管理を取上げていた。その中で、19911230日のいわゆるバタイユ法から約15年を経過し、科学技術の知見の進歩を考慮した、そして2006628日法律を誕生させた放射性廃棄物法案に関する議会審議まで数ヶ月の時点で、様々な関係者の意見を紹介した。この165号は、放射性廃棄物の管理、更に正確に言うと長寿命中・高レベル廃棄物の管理について、公衆に情報を提供するだけでなく、彼らがこの件について意見を発表できる機会を提供するため20059月から20061月まで行われた公開討論の直前に発表されている。
それから6年を経過し、放射性廃棄物管理の分野で様々な変化が起こっている。先ず法律制度の面では、議会科学技術選択評価局と共同で行われた膨大な量の作業から生まれた放射性廃棄物の持続的管理に関する2006628日付計画法第2006-739号が研究の基本路線を追認し、新たな期限を設定した。原子力の透明性と安全に関する2006613日法第2006-686号は、原子力安全機関(ASN)の原子力施設の管理権限を強化した。同法はまた、廃棄物管理についてその方面で基本的な役割を果たす原子力安全の情報と透明性に関する高等委員会も設置した。
長寿命中・高レベル廃棄物、或いは長寿命低レベル廃棄物の処分プロジェクトについては、現時点で辿るべき長い道程が残されているものの、受け入れサイトの特定化プロセスが継続している。プロセスの展開は、全ての関係者にとって、特に公部門の関係者にとって、協議プロセスの重要性を証明するだけでなく、安全面で最も確実な条件を保証するための調査が如何に複雑で根本的なものかを明らかにする学習の場となっている。
結局、ここ数年の間に、ASNの率先で10年以上前に導入され、ASNがエネルギー・気候総局とともに深く関わった放射性物質及び放射性廃棄物国家管理計画(PNGMDR)は2つのバージョンが作成された。PNGMDRは、今や、放射性物質及び放射性廃棄物全体を管理するための明瞭な戦略とスケジュールを用意する上で不可欠な手段である。PNGMDRは、前述の法制度、そして専門機関のANDRAの存在とともに、フランスの放射性廃棄物管理体制の三本柱を構成している。
この6年間で重要な新局面が切り開かれたように、今後数年でも重要なステップが予定されている。すなわち、長寿命中・高レベル廃棄物深地層処分場の許可申請に先立つ公開討論の開催、次いでこの処分場の設置申請の審査手続、長寿命低レベル廃棄物処分場設置のための調査再開、以前までの計画からの経験フィードバックを最大限活用しながら進められるPNGMDRの作成を担当する分野横断グループの業務継続である。
201011月初めに欧州委員会により採択された放射性廃棄物及び使用済み燃料の管理に関する指針案は、この案件を欧州共同体レベルのプロジェクトの前面に位置づけている。ASNはこれを現実的な前進と捉えており、準備作業に積極的に関わってきた。爾来進められている話し合いは近い内に指針の採択に繋がるはずであり、加盟国は共通の枠組みを手にして、2009年に採択された原子力安全に関する指針の規定を補足していくことになると思われる。
ここ数年の前進が示すように、放射性廃棄物管理の諸条件が幾つかの点で2005年当時の条件と大きく異なっている。しかしながら、このような極めて変化に富んだ状況の中にあって変わらない点も残っている。例えば、放射性廃棄物の管理は、6年前と同様現時点でも、原子力についてフランス人が自問自答する主要な話題である。したがって、ASNは、他の関係者の側に立って市民への放射性廃棄物の管理に関する情報提供に参加するだけでなく、市民社会を代表する機関への参加を促進するため講じられる措置に対しても細心の注意を払うことで、その活動をこうした特定の期待に適応させようとしている。
Contrôle誌は本号で放射性廃棄物の管理に関する課題と様々な関係者が果たしている役割を紹介する。関係者には、この件について、科学技術的な側面であれ社会的な側面であれ、忌憚なく意見を表明できるよう自由に発言してもらった。
ジャン=クリストフ・ニエル、ASN総局長
 
 
放射性廃棄物の管理:前進と今後の展望
Lydie Evrard、廃棄物・研究施設・サイクル局長、原子力安全機関(ASN
放射性廃棄物の管理
1.      放射性物質及び放射性廃棄物管理の主な関係者と法制度
Claude BirrauxHaute-Savoie県選出議員、議会科学技術選択評価局(OPECST)議長
2.      放射性廃棄物の管理欧州の問題
Ute Blohm-Hieber、「原子力エネルギー、輸送、解体及び廃棄物管理」ユニット長、エネルギー総局、欧州委員会
フランスの廃棄物管理に関する方針関係者たちの役割
3.      放射性廃棄物の管理に関するガバナンス – 2006628日法律
Pierre-Frank Chevet、エネルギー・気候総局長、エネルギー・持続的発展・輸送・住宅省(MEDDTL
4.      防衛関連原子力基本施設から発生する放射性廃棄物の管理
Marie-Paule Elluard、防衛原子力安全機関プロジェクトマネージャー、防衛省
5.      放射性物質及び放射性廃棄物の国家管理計画第2版:放射性物質及び放射性廃棄物の持続的管理に関する野心的なロードマップ
Colette Clémenté、輸送・ソース副局長、原子力安全機関(ASN
6.      放射性廃棄物管理の中心プレーヤ、ANDRA
Marie-Claude Dupuis、総局長、放射性廃棄物管理機関(ANDRA
7.      国家評価委員会の役割
Jean-Claude Duplessy、国家評価委員会(CNE)議長
8.      放射性物質及び放射性廃棄物の管理に対する、原子力安全の情報と透明性に関する高等委員会の業績
Henri Revol、原子力安全の情報と透明性に関する高等委員会(HCTISN)議長
放射性廃棄物管理施設の安全検査及び専門家評価の役割
施設の検査
9.      カダラーシュCEAセンターの核廃棄物貯蔵:「貯蔵場」からCEDRA施設へ:安全要件の変化の一例
Ghislaine Verrhiest-Leblanc、担当者及びChristian Tord、マルセイユ支局副局長、原子力安全機関(ASN
10.    イール==フランス地方でCEAが運用している廃棄物処理施設のASNによる検査
Brice Baraër、オルレアン支局原子力安全検査官、原子力安全機関(ASN
11.    旧放射性廃棄物貯蔵サイト:ラ・ハーグAREVA NC工場のケース
Thomas Houdré、カーン支局長、原子力安全機関(ASN
12.    放射性廃棄物管理施設の設置と運用開始
Dimitri Brotte、廃棄物・研究施設・サイクル局担当、原子力安全機関(ASN
専門家評価
13.    廃棄物担当常設専門家グループ
Pierre Bérest、「廃棄物」常設グループ(GPD)議長
14.    放射性廃棄物の管理:安全な管理形態の実現に対する専門家評価の貢献
Anne-Cécile Jouve、課長補佐、及びFrançois Besnus、照射装置・加速器・廃棄物管理施設安全評価課長、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN
原子力基本施設以外の廃棄物管理
15.    核医療サービスで汚染された固体及び液体廃棄物の主要管理規則
Elodie Boudouin、電離放射線・保健局担当者、原子力安全機関(ASN
16.    配管漏れ事象に関する経験フィードバック
Céline Guerville、マルセイユ支局担当者、及びElodie Boudouin、電離放射線・保健局担当者、原子力安全機関(ASN
17.    放射性生成物被ばく患者の処置プロトコル例
Nathaniel Izambard、放射線防護エンジニア、生体医療機器科、救急医療センター、ルーアン病院
18.    医療処置で発生する廃棄物及び廃液の管理:核医療臨床医の見解
Meurthe-et-Moselle県)ナンシー、ブラヴォワ病院救急治療センター、核医科医長、Gilles Karcher教授との対談
廃棄物生産者による廃棄物管理戦略
19.    CEAの廃棄物管理戦略
Eric Fillion、防護・原子力安全局、CEA
20.    運転中のEDF原子力発電所から出る放射性廃棄物の管理
Bertrand Lantes、原子力発電事業部;Stéphane Beguin、核燃料事業部、EDF
21.    AREVAの放射性廃棄物管理戦略
Philippe Poncet、廃棄物・解体専門家、安全・セキュリティ・健康・環境局(D3SE)、AREVA
放射性廃棄物の長期管理
22.    長寿命放射性廃棄物の管理:課題とASNの行動
Gérardine Dandrieux、廃棄物・研究施設・サイクル局副局長、原子力安全機関(ASN
23.    放射性廃棄物の管理関連部門の最適化:今後の課題
Fabrice Boissier、リスク管理局、放射性廃棄物管理機関(ANDRA
24.    HA-MAVL(長寿命中・高レベル廃棄物)プロジェクト:Cigéo産業地層処分センターの実現に向けて
Thibaud Labalette、プロジェクトマネージャ、放射性廃棄物管理機関(ANDRA
25.    超低レベル金属廃棄物のリサイクル
Michel DutzerLoic TanguyAlain RouletCEAAREVAEDF及びANDRA作業グループの協力で作成された記事
26.    関連部門のないトリチウム化固体廃棄物の貯蔵
Claire Fromonot及びJacques Rancher、軍用局、ブルイエール==シャテルCEAChristophe Douche及びPhilippe Guetat、軍用局、ヴァルデュックCEA
27.    フランスのウラン鉱石処理残滓の処分
Philippe Crochon、鉱山事業グループ、環境・社会保全事業部、AREVA NC
国際的なアプローチ
28.    放射性廃棄物の安全な管理に関するIAEAの役割
Denis Flory、原子力安全及びセキュリティ担当総局長補佐;Gérard Bruno、放射性廃棄物・使用済み燃料管理ユニット長、原子力安全機関(IAEA
29.    スウェーデンの使用済み燃料深地層処分場が間もなく実現へ
Saida Laarouchi Engstrom、環境影響・公益事業評価局長、スウェーデン放射性廃棄物管理機関(SKB
30.    欧州の原子力安全に関するプラクティス統一化
西ヨーロッパ諸国原子力安全規制機関責任者会議(WENRA)の廃棄物管理分野の活動
Stefan TheisWENRA廃棄物・解体作業グループ議長(ENSI);Gérardine DandrieuxWENRA廃棄物・解体作業グループ内フランス代表(ASN);Fabien FéronWENRA原子炉作業グループ内フランス代表(ASN
廃棄物管理に関する団体及び協議機関の見解
31.    ビュール地方情報・フォローアップ委員会(CLIS):役割、運営、処分計画
Beoît Jaquet、事務局長、ビュール地方情報・フォローアップ委員会(CLIS
32.    廃棄物:地方情報委員会(CLI)及び地方情報委員会全国連合(ANCCLI)の活動
Monique Sené、科学委員会及びANCCLI副議長
33.    放射性廃棄物の管理に関する「Robin des Bois(ロビンフッド)」団体の意見
Jacky Bonnemains、事務局長、「Robin des Bois」人及び環境保護団体議長
34.    放射性廃棄物:原子力の負の遺産
Yannick Rousselet、原子力問題担当、「気候/エネルギー」キャンペーン、フランス・グリーンピース
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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