有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- グラブリーヌ原子力発電所1号機の第3回10年総点検停止(2012年5月2日公開)
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グラブリーヌ原子力発電所1号機の10年検査停止
パリ発、201252
Arrêt de réacteur
(原子炉停止)
施設:グラブリーヌ原子力発電所 900 MWe原子炉6基、EDF
グラブリーヌ原子力発電所1号機は、2011729日から2012321日までの第310年検査のため停止した。
この停止中に実施され、原子力安全機関(ASN)の検査を受けた作業は下記の通りである:
·      弁類及び配管等の大規模点検プログラムに続く主1次系の耐圧試験。
·      原子炉建屋格納容器の試験。
·      原子炉容器の10年検査。
·      多数の保守作業及び安全改善に寄与する変更作業の実施。
この停止中、ASNは、下記に関する諸要件が遵守されているかを特に中心として8回の抜き打ち検査を実施した。すなわち、
·      変更作業及び保守作業の実施。
·      一般運転規則。
·      警告表示、放射線情報の表示、現場への立入り条件遵守に関する放射線防護。
·      火災リスク。
今回の停止のハイライトは、原子炉容器ボトムのペネトレーションで亀裂が発見されたことである。フランスの原子力発電所でこの種の不具合が明らかとなったのはこれが初めてである。この長手方向の39 mmの亀裂は、問題のペネトレーションを閉塞して使用不能とすることを必要とした。追加安全措置として、ASNは、漏洩検出装置の追加設置もEDFに要求した。この装置の設置状態はASNの検査対象となった。ASNは運転サイクルの中間で点検を行い、101日までにこの亀裂の最終補修書類を提出するよう事業者に要求した。
原子炉の冷却に関与する安全上重要な機器を収容する坑道内での作業の後、漏水が発見された。この漏水を招いた状況を調査するため検査が実施された。ASNの綿密な聴き取り調査の後事業者が提示した補修案が許可され、その実施状況が検査対象となった。
1次系の大流量浄化に関する変更作業の実施に伴い、化学体積制御系の自動制御システムに不具合が発生した。追加調整を実施しなければならなかった。フランスの原子力発電所の原子炉でこの種の変更作業を行うのは初めての経験であった。
この停止中に行われた作業に関連して安全上重要な事象が5件事業者から届出され、INESのレベル「0」に分類された。2件の事象が届出され、レベル「1」に分類された。
ASNでは、主1次系の耐圧試験は、事業者の準備不足で最初に失敗した後、適切に実施されたと評価している。原子炉建屋格納容器の試験は順調に行われた。
総合的に見て、今回の10年検査中に発見された異常は十分に迅速且つ厳格な評価及び補修を実現するためASN側から多数の要求事項を必要とした点を指摘しておく。
停止中に行われた検査及び工事の結果を点検した後、原子力安全機関は、2012316日、グラブリーヌ原子力発電所1号機の運転再開を認めた。
今後6カ月以内に、EDFは、この原子炉に関する安全再評価の結論を組み入れた報告書をASN及び原子力安全担当各省に提出することになっている。ASNではこの報告書を審査し、1号機の運転継続について2013年に見解を出す予定である。
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