有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- フェッセンハイム原子力発電所2号機の第3回安全総点検:ASN(フランス原子力安全規制機関)の要求措置(公開日:2013年4月29日)
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フェッセンハイム原子力発電所2号機の第3回安全総点検:
ASN
EDFに作業を要求する
パリ発、2013429
ASNは、フェッセンハイム原子力発電所2号機について、2011年の1号機の場合と同様、第3回安全総点検後に新たな措置をEDFに要求する。
ASNは、フェッセンハイム2号機の第3回安全総点検の総括並びにASNスタッフによる検査結果を受け、事業者対応の枠組を追加措置で制定する必要があると判断した。従って、ASNは、2013423日付決定第2013-DC-0342号で、幾つかの措置をEDFに要求した。これらの措置が実施される限り、ASNは、フェッセンハイム2号機の第310年総点検後の運転継続に異議はない。
201174日の決定で1号機ついて命じたと同様に、ASN2号機の安全強化を命令した。そのための具体策として、炉容器の貫通を伴うシビアアクシデントの際の基盤のコリウム強度強化並びに非常給水系(非常用冷却系)の増設を挙げた。2号機に関するこの2つの工事は20131231日までに完了しなければならない。同じサイトに設置されている2基の原子炉の設計が同じであることから、総合的に見て、2号機についても1号機と同様の命令が下されることになった。ASNの決定には、限定的な逸脱や変更に伴う、2号機に特有の措置も幾つか含まれている。
更に、フェッセンハイム原子力発電所の2号機に関する2013423日のASN決定は、福島第一原子力発電所の事故から得られた最初の教訓、及びフランスで実施された安全追加評価の結論も考慮している。この追加評価の結論を踏まえ、ASN2012626日の決定でフェッセンハイム原子力発電所に適用される追加措置をEDFに対して制定している。
ASNは、これらの原子炉に関して要求した工事の実施状況を検証している。201212月には、1号機に関する措置の実施状況について総括した。検査は2013年も継続し、2号機について要求した工事の実施状況に拡大する予定である。検査結果については、ASNのインターネットサイト、www.asn.frで公開される。
フランスの場合、環境法典の第L.593-18条が、原子炉事業者に対して、施設の安全総点検を10年毎に実施するよう求めており、この結果を受けてASNは施設の運転継続について判断することになっている。
安全総点検は、適合審査と安全再評価という2つの側面を持っている。この総点検によって、施設の状況を詳細に調べ、適用される規則全てに適合していることを検証できる(適合審査)一方で、他方では、より最近の安全目標やプラクティスを取り入れた施設に適用される諸要件に照らして、また知見の蓄積や国内外の経験フィードバックを考慮に入れて安全レベルを向上する(安全再評価)ことが可能である。更に、安全総点検は、施設の様々な経年劣化現象が少なくともその後10年間は管理されことの検証にも向けられる。
フェッセンハイム原子力発電所の2号機は、運転開始から30年を経過して安全総点検の対象となる(トリカスタン1号機、フェッセンハイム1号機、ビュジェイ2号機に次ぐ)4基目の原子炉である。フェッセンハイム原子力発電所の2号機は、2011316日から201237日まで、第310年検査のため停止していた。その間に、ASN12回の検査を実施するとともに、主1次系の性能再認定のための耐圧試験を監督した。EDFは、2012828日、フェッセンハイム原子力発電所2号機の第3回安全総点検の結論をASNと原子力安全担当各大臣に提出した。
環境法典の第L.593-19条に基づき、ASNは、フェッセンハイム原子力発電所2号機の安全強化を目的とする追加措置命令を制定した。これらの追加措置の中には、より最近の安全目標やプラクティスを取り入れた施設に適用される諸要件も導入されている。
ASNのこの決定は、福島の事故を受けて実施された安全追加評価の結論に照らしてフェッセンハイム原子力発電所に適用される追加措置を制定した2012626日の決定を補完する。ASNとしては、福島第一の事故からの詳細な経験フィードバックは約10年の歳月を要し、ASNが制定した当初の措置を場合によっては変更ないし補足することになる点を再確認しておく。
ASNは、その使命の範囲内で、フェッセンハイム原子力発電所2号機の運転について今後も厳粛な検査を行うことになる。
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  • 2013423日のASN決定を閲覧する
    INB No.75
    2号機の第3回安全総点検の結論を踏まえ(オ=ラン県)フェッセンハイム原子力発電所に適用される措置をフランス電力株式会社(EDF-SA)に対して制定する2013423日の原子力安全機関の決定第2013-DC-0342
  • 2012626日のASN決定を閲覧する
    INB No.75
    の安全追加評価(ECS)の結論を踏まえ(オ=ラン県)フェッセンハイム原子力発電所に適用される措置をフランス電力株式会社(EDF-SA)に対して制定する2012626日の原子力安全機関の決定第2012-DC-0284
関連する参考資料を閲覧する:
·         200977ASN一般見解
900 MWe
原子炉の運転期間を40年まで継続:ASNEDFが実施した一般評価の結論を満足できるものと評価する
 
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