加圧水型原子炉の運転停止に関するASN決定案の公開意見聴取
2013年8月19日改訂
2013年8月19日から9月19日までの公開意見聴取
原子力基本施設(INB)に適用される法制度策定の一環として、原子力安全機関(ASN)は加圧水型炉の停止検査方法の枠組を決定で確定する決断を下した。この決定案は、
· 2006年6月13日のTSN法(その後、環境法典に編纂されている)で制定された基本原則に基づき、停止準備中のみならず停止中も事業者の責任を一層強化する必要性を考慮している。
· 改正された2012年2月7日付省令に沿って作成された。従って、この省令の第1節で定義されている一部の用語(例えば、「保護上重要な要素」の定義)を取り入れている。
· ASNによる原子炉停止検査に関する現行慣例、特に一部のケースで見られる停止終了後の原子炉の臨界に関するASNの同意の存在を考慮に入れている。
こうした原子炉の停止は、以下に挙げる特徴によって、原子力安全及び放射線防護にとって特有の課題を抱えている。つまり、
· 限られた期間内で保守作業や変更作業が集中的に実施される。
· 殆どのケースで燃料の一部取替が実施され、原子炉内に新たな炉心が形成されるため、その特性を解析、検証しなければならない。
· 事業者は、与えられた期限で施設の運転を再開する必要性と原子力安全課題とを調整しなければならない。
一般方針
こうした背景を踏まえ、ASNは現行の検査方法を総合的に継続すると同時に、下記の方針に基づく幾つかの適応化措置を加えることを提案する。すなわち、
a) 停止計画の作成、作業の実施、及び原子炉の運転再開のため作業から導いた結論について事業者が適正にその責任を果たしているかの検証にASNの活動を軌道修正する。停止以前及び停止中に事業者が決定し、提出する要素に応じて、ASNは抜き取り検査活動(すなわち網羅性のない検査活動)を行う。
b) 事業者から提出される情報は安全上重要な機器だけではなく、保護上重要な要素も対象とする。更に、燃料取替は原子力安全に不可欠な一部の機器を容易に使用不能とする可能性を制限することになるため、燃料取替開始時には特定の情報をASNに提供する。。
c) 検査活動を停止の種別に応じて調整する:
1. 燃料取替を伴う停止の場合には、炉心に加えられる変化並びに炉心を炉容器から取り出す間に実施される大規模な保守や変更作業を考慮し、原子炉の臨界に関するストップポイントを伴うプロセスとする。
2. 燃料取替を伴わない停止の場合には、原子炉の臨界に関するストップポイントのないプロセスとする。
d) 事業者は、(上述c)の1に記される)原子炉の臨界に関するASNのストップポイントの代わりにASNの承認及び検査プログラムの対象となる内部許可制度を使用できる(2008年9月26日の省令で承認された2008年7月11日付ASN決定第2008-DC-0106号を参照のこと)。
ASNの検査方法が現行方式から変わる点
主1次系及び主2次系の作業に関する検査方法は、今後も、加圧水型炉の主1次系及び主2次系の運転の監視に関する1999年11月10日付省令、特にこれらの系統の運転再開に関するその第16条で制定されている通りである。
臨界許可に関しては、現在採用されている停止期間の基準(15日間)が適応していないのは明らかである。事実、停止期間は実施された作業の量や安全課題を反映しない。従って、ASNは炉内の燃料取替基準の採用を提案する。
下表は、原子炉の臨界許可の必要性について、本決定案のケースと現状のケースとの違いを纏めたものである。
燃料取替
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保守作業
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110℃超の移行にASNの反対なし (1)
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停止期間
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臨界時のストップポイント
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現状
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今後 (2)
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燃料取替無し
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大規模保守作業無し
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Yes
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≤ 15日
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No
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No
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> 15 日
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EDF内部許可
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No
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大規模保守作業有り
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Yes
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≤ 15 日
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No
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No
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> 15 日
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Yest
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No
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燃料取替有り
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保守作業有り又は無し
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Yest
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≤ 15 日
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No
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Yes
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> 15 日
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Yes
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Yes
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(1):主1次系又は2次系に関する作業の場合(1999年11月10日付省令)
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(2):原子炉の臨界に関するASNの同意がなくても、事業者は停止関連書類をASNに提出しなければならない。情報提供の方法は決定に明記されている通りで、実際の停止期間(240時間超又は未満)次第である。
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