有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- PNGMDR−長寿命放射性元素の分離・核変換の産業見通しに関する評価研究についてのIRSN(放射線防護・原子力安全研究所)の意見書(公開日:2013年7月22)
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国の放射性物質及び放射性廃棄物管理計画長寿命放射性元素の
分離・核変換の産業見通しに関する評価研究についての
IRSN見解
公開日:2013722
原子力・代替エネルギー庁(CEA)は、201010月、原子力発電所の使用済燃料に含まれる長寿命放射性元素の分離・核変換に関する研究作業の一環として2007年から実施されている技術及び経済シナリオの最初の検討結果をまとめた報告書を全国評価委員会(CNE2)に提出した。
放射性物質及び放射性廃棄物の持続可能な管理に関する2006628日の計画法律、並びに国の放射性物質及び放射性廃棄物管理計画(PNGMDR)に関する規則を制定する2008416日付政令の枠内で実施されたこれらの検討の目的は、マイナーアクチニドの核種変換を産業規模で実施するための様々なオプションについて、その実現可能性を技術及び経済面から評価することである。
201283日、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、原子力安全機関(ASN)の要求に応じて、検討されたシナリオ、廃棄物管理を目的とする長寿命放射性元素の核変換のポテンシャル、並びに核変換を実施するメリットについて意見書を提出した。
意見書は、CNE2に提出された報告書をベースに作成されている。
検討を重ねた結果、IRSNが下した判定は次の通りである。現在の加圧水型炉の代わりに高速中性子炉でマイナーアクチニドの核種転換を行うとすれば、燃料サイクル施設全体でまた関係輸送部門で、安全及び放射線防護の面で厄介な特性を持つ毒性の強い放射性物質を扱うことになり、この結果、今のところ実現可能性が確立していない新たなプロセスの開発、更に新たな施設や適応する輸送手段の設計が必要となるはずである。
地層処分の安全面でも、得られるメリットは限定されると思われる。すなわち、マイナーアクチニドの核種転換は処分時の放射線影響を変えることはないはずである。但し、この核種転換は長寿命高レベル(HAVL)廃棄物の熱荷重の低減を可能とする。従って、地下施設のスペース縮小や掘削量の減少といったメリットがある。
結局、マイナーアクチニドの核種転換から期待される安全、放射線防護及び廃棄物管理の面のメリットは、原子炉や輸送機材を含めた燃料サイクル施設にもたらす制約から見れば決定的とは言えないとIRSNは判定した。
 
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