有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- IRSN、フランス原子力基本施設の安全及び放射線防護に関する2件の年次報告書を発表(公開日:2013年12月16日)
有限会社アール・エス・シー企画  お問合わせはお気軽にどうぞ TEL 03-3227-3676
トップページ

  トップページ > 最新情報
IRSN、フランス原子力基本施設の原子力安全及び放射線防護に関する
2件の年次報告書を公表
20131216
放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、本日、「2012年フランス原子力発電所の安全及び放射線防護に関する意見書」を公表した。2007年以降毎年作成されてきたこの報告書は、EDF58基の原子力発電炉の運転について「冷静に」総括している。
同時に、IRSN原子力発電炉以外の原子力基本施設(INB)に関する報告書第3も公表した。これには、2011年及び2012年に発生した重大事象の総合的な分析から得られた教訓が紹介されている。2年毎に作成されるこの報告書は工場、実験所、研究炉、並びに廃棄物の処理、貯蔵又は処分施設を扱っている。
2件の報告書は、原子力施設の運転に伴う安全及び放射線防護に関する具体的課題について、また安全面で達成された進歩や特定された不備について関係者及び公衆の理解を高めることを目指している。IRSNの使命に則り、報告書は独立した立場で実施された科学的、技術的専門評価に基づき作成されている。
この機会を利用しIRSNは、日本の福島第一原子力発電所で発生した20113月の事故後に事業者から施設の強化を目的に提示された物理的措置及び組織面の措置の評価結果の総括を紹介する。施設の設計で考慮されていない極端な状況(地震、洪水、等々)に対処可能な「ハードコア」を各施設に設備するのが目的である。
2012年フランス原子力発電所の安全及び放射線防護に関するIRSNの意見書
EDFの原子力発電所にとって、2012年は重大事象の総件数が増加した年となった。但し、その内の大部分は施設の安全にとって軽微な影響を及ぼすに過ぎなかった。この増加現象は、違反発見の改善を目指すEDFの努力と無関係ではない。
報告書は、IRSNの専門家評価によって有益な教訓が多数含まれていると判定された幾つかの異常又は事象も取り上げ、最終的に、IRSNの評価対象となり、EDFの原子力発電所で実施された変更措置について説明している。
原子力発電炉以外の原子力基本施設の安全:2011年及び2012年に届出された重大事象からの教訓
原子力発電炉以外の82箇所の原子力施設に関するIRSNの報告書は、2011年と2012年に原子力安全機関(ASN)に届出された重大事象の総合的な分析結果を紹介している。原子力発電炉と違い、これらの施設は活動やリスクの面で極めて多様であり、種々の事業者によって運転されている。
2010年に見られた重大事象件数の減少は継続しなかった。2012年には244件の重大事象が届出された。但し、その大多数は際立った影響のないものに止まっている。
分析結果は関連INBの安全の全体的劣化を明らかにすることはなかったが、幾つかの基本的な改善路線を特定した。重大事象の原因として組織面のファクタ及び人的ファクタが相変わらず主流であることが特に際立っている。また、施設の高経年化メカニズムが今もって機器故障の主な原因である。IRSNとしては、事業者側がこれらの点に特に配慮すべきであると見ている。
 
 
印刷
Copyright© 有限会社アール・エス・シー企画 All Rights Reserved.