有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- IRSN報告書、「フランスの職業被ばく:2013年の現況」(公開日:2014年7月10日)
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フランスの職業被ばく:2013年報告書
公開日:2014710
職業被ばくのモニタリング報告書は、人医療及び獣医療、原子力産業又は非原子力産業、研究及び教育分野において許可制度或いは届出制度の適用を受ける全ての事業部門、更に自然放射線被ばくに係わる事業部門を対象としている。
許可或いは届出の適用を受ける事業部門の2013年の調査対象者数は352,082人と、2012年から若干後退している。2012年まで、調査対象労働者の数は一定ペースで増加していた。
同時に、受動型線量測定法で測定された集団線量[1]2013年には極めて僅かではあるが低減している。しかしながら、この変化は、個人線量が法定限度を超えて7 Svに達し、それだけで総集団線量の11%を占める例外的事例で本質を隠ぺいされている。事実、調査対象者全員の平均個人線量は2012年の0.18 mSvから2013年には0.19 mSvに増加している。被ばく線量が(一般公衆の法定年間線量限度である)1 mSvを超えた労働者13,892人の内、前年を上回る1,894人が6 mSv[2]を超える線量を記録している。20 mSv(労働者に関する法定の年間実効線量限度)を超える年間外部ひばく線量を記録した作業員は9人であった。
但し、上記の全般的な傾向は、調査対象者及び被ばく線量の内訳に業種別で大きな格差が存在することを示していない。すなわち、調査対象者の過半数(63%)を占めている人医療及び獣医療部門、並びに研究部門(4%)では、平均個人線量[3]0.6 mSv未満という最も低い値を記録している。
両者合わせて調査対象者の29%に相当する原子力産業及び非原子力産業の作業員が、最も高い平均個人線量を記録している(それぞれ1.27 mSv1.62 mSv)。
内部被ばくの追跡調査に関しては、354,878人の検診が2013年に実施された。この数は2012年と同様に増加している。検診の種類の内訳(排泄物の放射線毒物分析が42%、全身放射能計測が58%)は2012年と同様である。内部汚染が判明した症例数は低水準を維持している。2013年の場合、18人の作業員が1 mSvを超える預託実効線量[4]9 mSvの最大預託線量を記録した。
自然放射線被ばくとして本報告書が取り上げているのは、宇宙線を浴びる民間航空業界の搭乗員の線量で、そこには航空会社2社の18,979人のデータが含まれている。この集団の平均個人線量は安定しており(2012年と同様に1.9 mSv)、最大個人線量は4.5 mSvであった。


[1]集団線量とは、一つの集団が被ばくした個人線量の総和である。例えば、それぞれ1 mSvを被ばくした10人の集団線量は10人・mSvである。
[2]労働法典により、6 mSv/年を超える被ばく労働者はA種に分類され、それ未満の被ばく労働者はB種に分類される。
[3]ここに示されている数値は、線量計の測定限界を超える線量を浴びた調査対象者から算定された平均線量である。
[4]放射性核種による汚染の場合、いわゆる預託線量とは、その核種が生体内に存在する期間中に放射される線量である。一般的に、考慮される預託期間は50年である。
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