2013年1月から4月までの
PWRの事象経験フィードバックに関する意見書
公開日:2014年7月28日
2014年3月13日、経験フィードバックに関するASNの要求を受け、IRSNは、2013年1月から4月までの間に発生しEDFから届出のあった安全、環境又は放射線防護上重大な事象及び違反事象に関する意見書を提出した。
これを踏まえ、IRSNでは、こうした重大事象や事象の背景にある一般的性格の処理についてEDFが提示した対策は総合的に見て満足できると判断した。しかしながら、幾つかの事項については、安全を改善する余地があることから追加対策の実施が必要であると評価した。
審査の結果、IRSNが取り上げたのは以下の2件の事象である。
一つ目の事象はグラブリーヌ原子力発電所の6号機の事象である。シールキットの取付不良にともない縦方向の破裂膜箇所に溜まった雨水の氷結が原子炉の主電源喪失を引き起こした。EDFは、国内の全ての原子力発電所を対象に、問題のシールキットの水平方向の破裂膜について、少なくとも暫定的な再適合化を2014年末までに実施すべきであるというのがIRSNの評価である。
二つ目の事象はシノンB原子力発電所に関係している。予防保守の対象とされていない化学体積制御系(RCV系)の弁の思いがけない不完全な閉止で、幾つかの部屋の換気系のヨウ素ろ過機能が完全に使用不能となった。一部の原子力発電所では、該当するベント系に隔離弁は1個しか設置されていない。EDFは、関係する全ての原子炉を対象に、勧告された措置が講じられているかを確認し、RCVタンクと水素化廃棄物の回収系との間の唯一の隔離弁が閉止していることを検証すべきであるというのがIRSNの評価である。
|