グルノーブルの高中性子束炉(RHF − INB 67)の新たな非常用制御室
(PCS 3)の部分的運用の届出に関するIRSNの意見書
公開日:2014年10月13日
2014年3月7日、RHFの事業者であるラウエ・ランジュバン研究所(ILL)は、福島の事故の経験フィードバックを踏まえて建設された新たな非常用制御室(PCS 3)の部分的な運用開始を届け出た。
技術審査を終えて、IRSNでは、測定データをPCS 3に転送する情報系統の性能認定方式や危機管理に必要な機器類について、総合的に満足できると判断している。
更に、IRSNは、ポン=ド=クレのサイトのリスク評価を踏まえ、極端な状況下でのホスゲン漏洩シナリオを強化する必要があると見ている。ホスゲンの毒性の強さを考慮し、ILLは、この気体に関して設定されている職業被ばく限度を参考に、PCS 3の危機対応チームの個人の追加防護措置を講じる必要があると判断する。
最後に、PCS 3の部分的な運用開始はILLの危機対応組織の運用を大幅に変更することになるため、IRSNでは、この新たな組織体制の機動性、特に危機対応チームの装備形態を速やかに試験しなければならないと見ている。
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