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経験フィードバック
はじめに
原子力施設の安全の改善は何時であっても優先事項である。安全の改善は特にグッド・プラクティスの普及や事象の分析を通じて実現する。こうした事象の経験フィードバックはプロセスの改良に役立つのか? 経験フィードバックは何に役立つか? 具体例と証言を通じて明らかにしていく。
·         将来の安全規則を制定する
·         非常用ディーゼル発電機:世界中の原子力発電所に有益な先駆事象
·         分野横断性:原子力からその他リスク産業へ
将来の安全規則を制定する
異常に伴う原子炉自動停止又は工学的安全系統の起動、手順書の違反など原子力施設で発生ないしは発見され、その安全に影響を及ぼすあらゆる不具合が『REX』と呼ばれる『経験フィードバック』の対象となる。IRSNの加圧水型炉(PWR)に関するREX専門家Hervé Bodineauは次の通り報告している。「問題を分析して教訓を引き出し、その施設でも他の施設でも問題が再発しないようにすることです。世界の原子力共同体は、1979年のスリーマイル島(米国)の事故でこのアプローチの重要性を認識しました。単なる弁の固着が炉心の一部溶融を引き起こしたのです。他の発電所でも同じ様な先駆事象を既に経験し、管理していました。しかし情報のフィードバックは全くされず、その共有はまだ進んでいませんでした」。
REXは情報処理システムとともに飛躍を遂げた。複数のデータベースが事象とその処理を網羅している。IRSNのデータベース『Sapide』は事業者から届出された全ての事象をリストアップしている。現在、その件数は、動力炉については2009年に発生した(アルドゥーシュ県)クリュアス原子力発電所のヒートシンク喪失をはじめ2万件強[1]に上っている。その他のINB(原子力基本施設)については、5千件を超えている。
REXは、なんと言っても施設の第一責任者である事業者によるところが大きい。信頼できるシステムを使用し、あらゆる異常を早期に発見するのは事業者の務めである。事業者はその原因、例えば技術的不具合、人的過誤又は組織面の不備、等々を特定しなければならない。そして、特定した原因から実施すべき措置、具体的には欠陥部品の交換、新たな組織体制の構想などを引き出す必要がある。こうした責務は、フランスの場合、原子力安全機関(ASN)の管理下で果たされている。
件数
フランスでは運転中の58基の加圧水型炉について年間で850件の重大事象が届出されている。IRSNで部局間の枠を超えたREX分析を担当するJean-Paul Daubardに依れば、「この件数は多そうに見えても、その内の約90%がINESのレベル外に分類されています。つまり、技術仕様の違反などの重大性の低い事象が大半です。こうした事象は影響を生むことはありませんが、施設の弱点を知らせてくれます。日本などの他の国と違い、フランスは事業者に事象の届出を求めることを選択しました。あらゆる不具合は、たとえ軽微であっても、より重大な事象の先駆けとなる可能性があるのです」。
1970年代に最初のPWRが建設されて以来、事業者はあらゆる重大事象、つまり事故、事象、異常又は運転違反を届け出るよう義務づけられている。「直ぐに届け出る必要のあるシビアアクシデントを除き、届出の猶予は48時間です。その後2ヶ月以内に、事象と是正措置に関する報告書をASN及びIRSNに提出しなければなりません」とHervé Bodineauは説明する。これらの届出をもとに、該当サイトを担当するIRSNの専門家はREXの詳細分析を行う。Hervé Bodineauに依れば、「彼らの第一の目的は、事象の重大性と先駆的性格を個別に分析することにあります。彼らは重要な点が適切に処理されているかを検証するのです」。
2012年の大寒波
2段階の別の審査は、「動力炉、研究所、工場及び研究炉の間で」ある施設から別の施設に当てはめることが可能かの見極めであると、IRSNで部局間の枠を超えたREX分析を担当するJean-Paul Daubardは強調する。放射線防護、火災リスクの管理措置或いは極端な異常気象など幾つかのテーマは全ての種類の原子力基本施設(INB)で見られる。Jean-Paul Daubardの説明に依れば、「2012年の冬は大寒波期を経験した。あらゆる種類の施設で様々な事象が発生しました。部局間の枠を超えた検討で一般的な性質が特定されたのです。例えば大寒波期間の誤った予測です。この結果、機器の故障が発生しましたが、予測が正しければ事業者は故障を避けられたはずです」。
これらの情報がIRSN内で配布されるシートに記録される。「1999年の暴風雨によって発生した(ジロンド県)ブレイエ原子力発電所の洪水は洪水リスクの評価方法の見直しを迫りました。これによって、施設が懸念する事項と、十分な高さの堤防の建設など講じるべき措置とを決定できたのです」と彼は付け加えた。
REXは、外国も含め共有されるのが目的である。IRSNの国際REX専門家Didier Wattrelosは次のように指摘する。「国際原子力機関(IAEA)、経済協力開発機構(OECD)及び欧州委員会を後ろ盾に、原子炉を運転する国々を集めた会議が定期的に開催されています。これら機関の加盟国は他の国の経験フィードバックを活かすことができるのです」。
施設の脈拍
REXは情報処理システムとともに飛躍を遂げた。複数のデータベースが事象とその処理を網羅している。IRSNのデータベース『Sapide』は、事業者から届出された全ての重大事象をリストアップしている。現在、その件数は、動力炉については2009年に発生した(アルドゥーシュ県)クリュアス原子力発電所のヒートシンク喪失をはじめ2万件強に上っている。その他のINB(原子力基本施設)については、5千件を超えている。
『あらゆる是正措置が検討される』
原子力基本施設で発生したあらゆる事象又は不具合は是正措置を必要とする、これが経験フィードバック(REX)の基本原則である。
異常が原因で2005年にEDF900 MWe原子炉の安全注入ポンプのモータのベアリングを全て変更した際に、「この措置は緊急性と熟慮の絶妙な妥協から生まれたものです」と、IRSNの加圧水型炉(PWR)に関するREX専門家Hervé Bodineauは強調する。施設の安全を危険に晒すことのない軽微な問題に直面して、過大な措置は無益であるばかりか、非生産的と言えよう。彼は続けて、「事業者は技術的及び経済的な制約から解放されることはありません。発電所が運転中は、何でもするという訳にはいかないのです」と指摘する。
電気ケーブルまたはポンプの取替などの変更作業は、溶接時の火花による出火或いは安全上重要な機器の使用不能など実際のリスクを伴う場合がある。変更作業は様々な影響を与えるため、これらを予測する必要がある。(ポンプのモータ又は弁のサーボモータなど)部品を交換する際には、機器の正常作動をその後も確保できるか?手順を見直す際には、何が影響を受けるか?Hervé Bodineauは、「ユニット停止時[2]には、危険を伴う最終的な技術的解決策よりは寧ろ信頼できる一時的な手段を導入する方が賢明な場合がある」として、「提案される解決策は安全課題に見合ったものでなければならない」と結論づけている。
国際的には、IAEAが加盟各国から寄せられる事象通報システム(IRS)を持っている。Didier Wattrelosは、「IRSNは、フランスを代表して年間10数件の報告書を送っている」と補足し、「IRSNは外国のREXを分析し、フランスの施設に当てはめることが可能な事象があるかを評価している」と語っている。2010年にIRSNが運用を開始した『Eria』のように、テーマ別のデータベースも存在する。このデータベースは放射線防護事象を専門に扱っている。これらのツールによって、経験フィードバックの活用は問題の施設を超えてその範囲を広げている。Hervé Bodineauの説明に依れば、「ツールの使用は、安全レビューの際に審査するテーマを決めるのに役立つはずである。単純な意見書から安全追加評価[3]などの最も複雑な意見書に至るまで、IRSNで行われる全ての技術審査の土台である」。
IRSNでは、各事象が収録されているこれらのデータベースを施設の脈拍測定にも利用している。専門家Hervé Bodineauは、「原子炉自動停止回数などの統計学的指標が構築され、監視されています。これによって、フランスの原子力発電所の総合的な安全レベルを評価し、傾向を追跡し、施設間の格差を発見できます」と詳説する。サイトの安全を監視することに加え、REXは安全の全体的な改善に貢献している。
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注記:
1- 2万件の事象の内、90%が国際原子力事象評価尺度(INES)のレベル0に、10%がINESのレベル1に分類されている。
2- 燃料取替及び保守点検作業のための原子力発電所の定期停止。
3- 福島の事故を受け2011年に始まったフランス原子力施設の現状調査。
更なる詳細は:
·   原子炉専門家常設グループに提出されたIRSN意見書、「運転中のEDFの原子炉及び外国の原子炉のREXに関するIRSN報告書の総括、2006年から2008
·   スリーマイル島事故のファイル
ディーゼル発電機:世界中の原子炉に役立つ先駆事象
2009年以降、発電所の非常用発電機について幾つかの故障が報告された。調査が実施され、解決策が見い出された。この経験フィードバックは他の施設に役立った。
如何にして数台の非常用発電機の欠陥部品問題が(原子力発電所に限らず、研究所や工場を含めた)フランスの原子力施設全体、ひいては外国の原子力施設における機械部品の交換に行き着くことができたのか?如何にしてこの事象が新たな監視手順にたどりついたのか?これこそ正しく経験フィードバック(REX)の力である。
事の発端は2008年である。アンドル==ロアール県のシノン、ドイツ、そして中国の原子力発電所の非常用発電機に関する安全試験でディーゼルエンジンの異常が明らかになった。この定期試験の目的は運転パラメータを監視することであった。IRSNの非常用発電機の専門家Monique Davantureは、「事業者は全員、フィンランドの同じディーゼルエンジンメーカ、Wärtsilä社から問題のエンジンを調達していました。調査の結果、製造欠陥に伴う軸受メタルの不具合が明らかとなったのです。エンジン回転中に軸受メタルがあまりに早く加熱し、エンジンの焼付きを引き起こしていました。エンジンメーカはこの部品の納入元を変えていたものの、必要な性能認定試験、すなわち極端な条件下での耐久試験を実施していませんでした」と語っている。Wärtsilä社は部品メーカに不適合を是正するよう要求した。こうして、2009年に第2世代の製品が販売された。
翌年、取り付けられた新たな部品が問題を起こした。Monique Davantureの説明に依れば、「2010年末、(アルデッシュ県)クリュアスと(ジロンド県)ブレイエの発電所からディーゼルエンジンの異常が届出されました。EDF敏感に反応します。実施された専門家による評価の結果、第2世代の軸受メタルの早期摩耗が明らかとなりました。ASNIRSNは直ぐに問題に対応します。彼らは、やはりトラブルの原因を突き止めていたEDFとの対話を始めます。事業者はクリュアスとブレイエの異常を、同じタイプの全ての機器に波及する一般事象に切り替えることを決定します。こうして保有する全ての原子炉を対象とする調査を開始したのです」。
問題ありと思われる34基の原子炉(何れも900 MWeクラスの原子炉)に導入されている約80台のディーゼルエンジンが調査対象となった。その結果、26台のディーゼルエンジンに第2世代の軸受メタルが装備されていることが判明した。その専門家は、「最も深刻だったのは(ドローム県)トリカスタンでした。4基の内2基の原子炉用の全ての非常用ディーゼル発電機に問題の部品が装備されていました。20112月、この事象はINESのレベル2に分類されました」と語っている。
鉛の表面が劣化する
事業者は、損傷した第2世代の軸受メタルを新しいものに交換するとともにディーゼルエンジンの強化監視を導入するという二重の予防策を決定し、全ての発電所に適用している。Monique Davantureは、「(2ヶ月毎の)定期試験の度に、EDFはエンジンオイルの鉛含有量を計測します。事業者は、軸受メタルの鉛の表面が劣化すると、その粒子がオイル中から発見されることを明らかにしたのです。こうしてオイルの鉛濃度と部品の摩耗との相関関係が立証され、部品を摩耗状態と見なし交換すべき閾値が設定されました」と詳説する。ASNからEDFの解決策の評価を求められ、IRSNは肯定的な意見を提出した。同時に、IRSNは、軸受メタルと接触するクランクシャフトの表面が損傷しないことを立証する追加要求を出している。この疑問に答えるため、EDFWärtsilä社とともに調査を行い、問題がないことを確認することになっている。
これと並行して、経験フィードバックがその他の関係施設にも伝えられた。「ディーゼルエンジンメーカはその取引先(EDFAreva、スペインの事業者、等々)に発生したトラブル及び特にEDFから提案された解決策を提供しています」とHervé Bodineauは語る。IRSNは外国の同種機関と意見交換も行った。IRSNの国際REXの専門家Didier Wattrelosは次のように証言している;「我々は2011年の国際会合で安全規制機関や組織に対してこの事象を紹介しました。我々は異常が発見されたロットの番号を連絡することで、ドイツ、スペイン、フィンランド、等々と情報や分析結果を共有したのです」。
フランスでは、研究炉、研究所及び工場にまで調査対象が拡大している。「軸受メタルの問題が判明し、IRSNPWR専門家達は直ちに彼らの同僚にメッセージを送りました。頭にあったのはこの種のトラブルを既に経験しているかどうか、又は経験する恐れがあるかどうかを知ることでした」と、IRSNの部局間横断REX専門家Marianne Berneは当時を回想している。
他の施設、そして外国にも適用可能な教訓
Areva2箇所の工場でも発電機に関する同種事象がリストアップされていた。すなわち、2008年に(ガール県)マルクールのMelox核燃料製造工場、2010年に(マンシュ県)ラ・アーグの使用済燃料再処理工場である。エンジンが立て続けに数回故障し、トラブルの正確な原因まで遡ることができないでいた。
原子力安全機関(ASN)の要求を受け、Arevaは保有する全ての発電機の点検を実施し、部品の摩耗状態を検証した。(マンシュ県)ラ・アーグのサイトのディーゼルエンジンの軸受メタルは第2世代のものが使われていた。オイル中の鉛濃度の追跡などWärtsilä社が(フランスの事業者の方式をもとに)推奨した措置が導入された。これらの部品は、20103月のエンジン試験で重大な損傷受けたために取替えられていたが、特段の監視は行われていなかった。『EDFのディーゼルREX』は未だ知られていなかった。「Arevaも含め全ての原子力事業者にこのREXを浸透させたことが、照準を是正し予防保全を完成させる助けとなりました」と、Hervé Bodineauは特に指摘する。
逆に、(ガール県)マルクールのMelox核燃料製造工場の場合、事業者は自分の選択で自らを強化する結果となった。「2008年、ディーゼルエンジンから同種の異常が発見されました。事業者は、固定式の旧エンジンを新しいものと交換するまでの間、移動型の発電機を一時的にリースすることを選択していました。選択したのはキャタピラ社の発電機です。事業者は、Wärtsilä社と同じ欠陥部品がこの発電機に装備されていないことを検証しています」と専門家は詳説する。
この『ディーゼルREX』は国際的スケールでも共有された。IRSNのドイツの同僚GRS(原子炉安全協会)のREX専門家Dr Albert Kreuserは、「IRSNの専門家は、ドイツの一部の発電所が同じメーカの軸受メタルを使用しているのを知っていたため、直ぐに我々に連絡してきました」と当時を振り返り、「そして我々はこの情報を関係する事業者2社に伝えたのです。その後、この不具合ではなく政治的な決断で問題の原子炉は廃炉となりました」と語っている。EDFが引き出した全ての教訓(監視手順、信頼できる機器の設計を目指したWärtsilä社との共同作業、等々)は、メーカを介して全ての施設に有益となっている。
製造中の第3世代の軸受メタル
EDFASN或いはIRSNにとって、採用された解決策は原子炉の安全な運転を確保はしても、十分とは言えなかった。目標は恒久的な解決策を見出すことである。EDFは軸受メタルの早期摩耗の原因を究明する調査を継続している。本来のものと異なる形状がオイルの循環を恐らく阻害しているのではないかと見ている。EDFは新たな部品の設計に向けてWärtsilä社と共同作業を進めている。「EDFはしっかりこの件に取り組んだ。開発並びに技術評価に自分の研究チームを動員したのです」とHervé Bodineauは認めている。
2012年末、第3世代の軸受メタルが工場での性能認定試験に合格した。IRSNは有望と思われるこの成果の評価をASNから要求された。「新しい軸受メタルについて肯定的な意見が提出されました。EDFの発電所のディーゼルエンジンを使った実寸での試験でした。しかしながら、その時の試験速度を超える速度での耐久性について立証するよう追加要求が出されたのです」とMonique Davantureは証言する。首尾よく事が運べば、Wärtsilä社は、新しいタイプの軸受メタルが開発され性能認定を受けるまでの間、この第3世代の生産に着手できるはずである。同社は、客先で使用されている潜在的欠陥を抱えた部品を保守作業の折に順次取替えていく予定である。この作業はEDFの境界を遥かに超えて安全に貢献する。
分野横断性:原子力からその他リスク産業へ
経験フィードバックの交換は異なる産業部門間でも存在する。原子力業界と他の産業部門が共有するテーマによって、知見はお互いにとって有益である。
原子力の経験フィードバック(REX)は産業界にとって有益であり、その逆も真なりである。持続可能発展省の産業リスク・汚染局(Barpi)の責任者Simon-Pierre Euryの説明に依れば、「消火設備の故障、相容れない化学薬品の混入による爆発、等々の幾つかの事象は両方の業界で起こり得る」。こうしたリスクに対処するため、両業界はお互いに関係を築き上げ、対話する必要がある。
彼は次のように詳説する;「20129月、韓国の大型化学産業プラットホームで事故が発生し、フッ化水素酸が放出されました。この有毒な化合物は核燃料の製造に伴い発生する副産物でもあります。ArevaIRSNは追加情報を入手し、どの程度この事故のREXが原子力基本施設(INB)に役立つかを調べるためBarpiに接触した」。産業界で分析されている水素又はアンモニアに関連するリスクも同様に原子力産業に存在する。Simon-Pierre Eury は、「施設の老朽化は産業界が取り組むべき分野横断型テーマです。産業施設は10年から20年先行しており、業界で行われた研究は原子力に役立っています」と語る。
石油化学分野での利用
『原子力』REXは産業界でも役立つはずである。例えばガンマ線探傷検査で発生する事故などが該当する。2010年の(マンシュ県)フラマンビルの事故後、IRSNは発電所と産業界で適用可能な放射線防護措置を提案した。線源の位置を表示する標識はどのような条件でも見えるように改善された。
『原子力』REXに由来するツールは産業界にも適用できるはずである。例えば原子力・代替エネルギー庁(CEA)とIRSN2003年に共同申請した特許の対象装置がそれに該当する。「その形状の如何に関わらず金属部品の状態を検査する超音波装置のことです」と、IRSNの機械機器検査の専門技術者でこの装置の共同発明者でもあるGérard Cattiauxは明言する。「この装置は、表面に凹凸があって複雑な形状をした部品の場合に欠陥の検知が難しいことを明らかにしたINBにおけるREXを受けて発明されたのです。サウジアラビアでの適用に向けて産業利用可能性調査が進められています。石油化学分野のパイプラインの検査への利用が見込まれています」。
更なる詳細は:
·     産業リスク・汚染局BARPI)が運用する産業事象データベースAria
 
 
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