原子力施設サイトの地震リスク
目次
· 何故、何処で地震が発生するか
· 地震力の測定方法
· 地震の影響
· サイト作用
· フランス本国で発生した地震
· フランスの地震帯
· 1909年のLambesc地震
· 地震確率の評価−フランスの原子力施設に適用される規制
· 原子力構造物の地震挙動の評価
· カダラッシュ研究センターに関する地震確率の分析
· Moyenne Durance断層の地震構造地質
· IRSNが解析した最近の地震
· 討論:地震リスク、どのように不測事態を予測するか
1909年6月11日のLambesc地震の記念日は、地震活動が穏やかなはずのフランス本国でも破滅的な地震が起こり得ることを再確認する機会である。
原子力施設の場合、地震確率は設計当初より考慮され、その後も知見の蓄積を踏まえ定期的に再評価されている。規制に準じる文書(基本安全規則)がこれらの施設に採用すべき「地震確率」の容認可能な決定方法を明らかにしている。この方法は地質学及び地震学データの解析をベースに、サイトに特有の地震動を定義する。
地震確率に関する知見を拡充するため、IRSNは地質学と地震学の両分野で調査プログラムを実施している。その代表例が、規則的な地震活動に特徴的な断層が見られるデュランス川中流の渓谷である。IRSNはこの渓谷で過去10年間調査活動を展開し、Moyenne Durance断層の地図を作成し、断層のメカニズムに関する理解を深めることができた。調査活動から得られた一部の結果から、特にサイトに最も近い活断層の位置をより精密に特定することでカダラッシュサイトの地震確率を明確にすることができた。
この文書で紹介する調査、並びにIRSNの他の調査から得られた結果は、原子力施設サイトの地震確率の決定に採用されているアプローチの修正に繋がるはずである。
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