有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- ベルギーのDoel原子力発電所3号機で原子炉容器の欠陥が発見される:ASNとIRSNの発表(2012年8月9日公開)
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ASNの発表−
(ベルギー)Doel原子力発電所3号機の炉容器欠陥
ASN
はフランスの原子炉容器の検査について総括した
パリ発、201289
Note d’information
ベルギーのアントワープの近くに立地するDoel原子力発電所3号機の原子炉容器から欠陥が見つかったことを受け、ASNはフランスで現在運転中の原子炉容器の検査について現状を報告した。製造完了時点とその後10年毎に実施されているこれらの検査の結果は、同様の異常を示していない。
20127月に実施された検査の際、Doel 3号機の炉容器から多数の欠陥が発見された。検査結果の分析が終わっていないにしても、ベルギーの連邦原子力管理局(AFCN)に依れば、炉容器は「潜在的な割れと見ることのできる」多数の兆候を抱えているようである。
2012年にDoel 3号機で発見された欠陥は、炉容器の最も激しい照射を受ける部位全体の超音波検査の際に明らかとなった。この検査方法は他の原子炉に先駆けDoel 3号機の炉容器で初めて導入され、AFCNの要求で実施された。
AFCNは、同機関が要求した追加検査の結果、並びにこれらの欠陥が安全に影響しないことを証明するため事業者が提出した文書の内容を審査した後、Doel 3号機の運転再開について見解を明らかにすることになる。
ASNとその技術支援機関のIRSN、更に外国の幾つかの安全規制機関がこの案件の審査でAFCNを支援する予定である。更に、ASNは、原子力事業者や機器メーカーがこの事象から経験のフィードバックを引き出し、関係機器の健全性確保に活かしていくことを確かめることになる。
Doel 3号機の炉容器を製造したオランダ企業は、フランス原子力発電所の炉容器用部品の鍛造には一切関わっていない。
フランスでは、ASNが原子炉の主要耐圧機器、特に原子炉容器の製造検査とその後の運転追跡調査を行っている。これら機器の製造後の個別追跡調査は1974年から導入されている。フランスの原子炉容器の全コンポーネントについて、鍛造部品の内部欠陥を発見する検査が製造中に実施されている。
フランスで運転中の原子炉の場合、最も激しい照射を受ける炉容器部位の超音波検査が10年に1回実施されている。これまでのところ、これらの検査で今回のような欠陥が発見された例はない。
 
 
 
IRSNの発表−
ベルギーのDoel原子力発電所3号機の炉容器欠陥
公開日:201289
20126月のDoel原子力発電所3号機の10年総点検停止の際に、炉容器の胴体全体を対象とした超音波検査が実施された。ベルギーでは原子炉容器に初めて導入されたこの種の検査は、肉厚が凡そ200 mmの炉容器の鋼材内部欠陥を検出するのが狙いであった。発見された欠陥はDDHタイプ(水素に起因する欠陥)のもので、製造時の鍛造プロセスの管理に問題があったものと思われる。
Tihange発電所2号機にも同じメーカーの炉容器が設置されており、20129月に予定されている計画停止の際に検査が実施されることになっている。
フランスではDoelと同様の検査が、原子炉の10年総点検の際に実施されている。現時点で、フランスで運転中の原子炉からはこの種の欠陥が発見されていない。過去30年間、フランスの原子力発電所向けの幾つかの機器については、製造時に同種の欠陥を持つものもあったが、製造検査の段階で発見され、問題のコンポーネントは廃棄されている。フランスの原子力発電所に設置されている原子炉容器の中に、Doel 3号機の炉容器メーカーのものはない。
IRSNは、ベルギーの安全関連機関に対して要請があれば技術支援を提供できる体制にあり、フランス原子力施設の信頼性の管理に有用な情報の収集に配慮している。
ベルギーの安全機関から提供された情報に依れば、世界中で現在運転中の他の原子炉容器の中に同じメーカーが製造したものがある。この件に関する情報は、IAEAを通じてベルギーの安全機関から関係する全ての安全機関に伝えられた。
 
 
 
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