有限会社アール・エス・シー企画 フランス語はじめヨーロッパ言語など科学技術専門の翻訳会社 -- IRSN(放射線防護・原子力安全研究所)が原子炉のシビアアクシデントに関する30年の研究成果を発表(公開日:2013年12月9日)
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原子炉のシビアアクシデントに関する30年の研究
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放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、新たな研究成果を発表する。科学技術文献コレクションに収められるこの書物のタイトルは「動力炉の炉心溶融事故知見の現状報告」である。世界的規模で展開された30年に及ぶ研究や実験をとりまとめることで、シビアアクシデントの現象学についてこれまでにない全てを網羅した作品の一つに仕上がっている。更に、この種の事故の予防並びに影響の低減という観点から、スリーマイル島及びチェルノブイリの事故から教訓を引き出し、動力炉の安全強化に寄与した実験結果を取り上げている。
30年以上前から、IRSN(旧IPSN)は、動力炉の炉心溶融事故の理解を高めることに積極的に貢献している。特に、1993年から2012年まで、国際プログラムPhébus-PFを立ち上げ、展開してきた。国際コンソーシャムの枠内で実施されたこのプログラムの主な目的は、軽水炉の炉心溶融事故時の放射性物質放出の評価に関する不確実さを低減し、事故影響の評価及び管理能力を高めることにあった。書物は、炉容器内における炉心溶融の進行から核分裂生成物の炉容器外放出、特に溶融混合物(コリウム)と格納容器基盤コンクリートの相互作用(ICB)の評価を通じた格納容器内における炉容器破損後のコリウムや核分裂生成物の挙動などについて実施された様々な研究プログラムから得られた成果を概観している。これらの成果全体が、ドイツの同種機関GRSと共同でIRSNが進めているASTECソフトウェアシステム 現在の欧州の標準ソフトウェアであるの開発に役立っている。このシステムは、場合によっては放射性物質の放出にいたる加圧水型炉(PWR)の炉心溶融事故の進行中に起こり得る諸現象全体のシミュレーションを目指している。IRSNはシビアアクシデントの研究に関与する欧州ネットワークを調整している。
IRSNが刊行するこの書物は、全文、インターネットサイトのリンクwww.irsn.fr/accident-graveから、又はメニュー項目「La recherche」の「Collection sciences et techniques」から直接無料で入手できる。
 
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