IRSN意見書No.2010-34
EDFが保有する34基の900 MWe級原子炉のうち、トリキャスタン1号機は他の原子炉に先駆けて2009年5月から8月にかけて第3回10年検査(VD3)を受けた。IRSNでは、更に10年間この施設の運転を継続することについて原子力安全機関(ASN)が判断できるよう、EDFがTSN法に則り作成した再審査報告書を審査した。
IRSNで特に審査した点は下記の通りである:
· ユニット適合試験の結果。
· 運転継続適性書類(DAPE)の対象となる施設の経年劣化を管理するために事業者が予定している措置。
審査を終え、IRSNは、2010年7月20日にASNに提出した意見書No.2010-34で、VD3を終了した900 MWe級原子炉に適用される安全要件集はこの再審査のために設定された目標からみて満足できると指摘した。但し、一部の研究又は措置については、意見書に記載されている指摘や勧告に基づき補足すべきである。
トリキャスタン1号機に関する限り、一般研究の結論やこの結果採用された措置を変更するようなこの原子炉に特有な点は存在しない。
VD3停止を終えたトリキャスタン1号機の状態、特に適合検査の結果、決定された機器変更の導入状態、逸脱事項の処理と試験結果、並びに経年劣化の考慮について記したEDFの総括報告書には、この原子炉の運転継続に疑問を投げかけるような留意点がないというのがIRSNの審査結果である。
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